今回は、アセッサー養成講座の「能力開発編」第1回となります。
前回の能力評価編を踏まえて、「評価後にどうしていくか」という、能力開発の話をしていきます。

能力開発について

能力開発概論

「人は知らず知らずのうちに、自分が敷いたレールのうえを歩んでいる」といいます。一人ひとり、価値観、こだわり、動機の方向は異なり、「思考スタイル」「行動スタイル」も千差万別です。結果として、マネジメントに関する能力の特性や水準も一人ひとり異なります。

自分の「価値観」「こだわり」「動機の方向」「思考スタイル」「行動スタイル」などを認識せず、思うままに行動していたら、未来永劫同じパターンを繰り返すことになります。それが、「人は知らず知らずのうちに、自分が敷いたレールのうえを歩んでいる」ということです。結局、ヒューマンアセスメントとは、受講者の「未来の行動予測」「未来の活躍予測」ということが言えます。

しかし、人は成長することができます。すなわち、ヒューマンアセスメントの予測通りにならないよう、自分の意識やスタイルを変えることができます。それが能力開発です。

ヒューマンアセスメントは一連の因果を把握する
ヒューマンアセスメント将来を予測する
無意識に繰り返されている「パターン」を見つける
能力開発将来の予測を覆す
無意識に繰り返されている「パターン」を修正する
ヒューマンアセスメントと能力開発の関係

能力開発はスキルアップではない

  • スキル:思考技術、コミュニケーション技術
  • スタイル:行動様式、思考様式
  • マインド:価値観、こだわり、動機、意識

能力開発とは、スタイルとマインドを変えていくものであり、スキルを磨くことではありません。ある能力を高めたかったら、まず「マインド」「スタイル」を変える訓練を行う。意識、スタイル、習慣が定着したら、スキル訓練を行う。

能力強化=能力開発(マインドやスタイルの変容)+技術訓練

いきなり、「本を読む」「研修を受ける」「意識して行動する」ことをやってもうまくいかないでしょう。そんなに簡単なら、すぐに改善されているはずです。能力開発とは、スキルアップではなく、自己変革を行うことです。「成熟」とは自分の殻の中で精度を高めること、「成長」とは自分の殻を破ることです。次のステップを踏んで考えてみてください。

現状原因目標方法
現状はどうなっているのか?
何が出来ていないのか?
何が原因となっているのか?
どんなスタイル、どんな習慣がいけないのか?
どんなスタイル、どんな習慣を身につければよいか?

そのために具体的に何をするか?
毎日取り組める方法を考える
能力開発のステップ

問題解決力を例にとると、以下のように区別して考えることが大切です。

マインドやスタイルの変容スキルの訓練
問題を大所高所から俯瞰する習慣をつける
問題の構造を解明しようとする習慣をつける
点で捉えるのでなく、関係性で捉える
情報が足りなくても、推論していく姿勢をつける
答えをその場で出す習慣をつける
問題解決の本を読む
問題解決の研修を受ける
問題解決のケーススタディに取り組む
職場の問題解決を行う
社会的な問題の解決を考える
能力開発と技術訓練の違い

次回に向けて

今回は、「能力開発とはなにか」ということについて概論を解説しました。次回以降は、能力開発の具体的な内容に踏み込んでいきたいと思います。