仕事の分類

仕事と人とのマッチングを行うには、「人の特性を見える化」するとともに「仕事の特性を見える化」する必要があります。以下は、会社内にある仕事を大雑把に「知識」「成果獲得方法」で10に分類したものです。

必要知識成果獲得方法(思考)成果獲得方法(行動)
パターン1一定の知識は必要手続きに従って行う自分で動く
パターン2一定の知識は必要有効な手続きを選択する自分で動く
パターン3一定の知識は必要有効な手続きを選択する人に指示する
パターン4高い専門知識が必要手続きに従って行う自分で動く
パターン5高い専門知識が必要有効な手続きを選択する自分で動く
パターン6高い専門知識が必要解決策を自分で考える自分で動く
パターン7高い専門知識が必要解決策を自分で考える組織を取りまとめて進める
パターン8広い分野の知識が必要異分野の人と共創するメンバーシップを発揮する
パターン9広い分野の知識が必要異分野の人と共創する
解決業務 業務改革
リーダーシップを発揮する
パターン10広い分野の知識が必要異分野の人と共創する
企画業務 未来創造
リーダーシップを発揮する

パターン1?5までの仕事は、あまりマネジメント能力を必要とせず、「専門知識」だけでも仕事はできます。もし、現状、パターン1?パターン5までの仕事しか割り当てられていないけれども、高いマネジメント能力を持つ者であれば、より難易度の高い仕事を担当させるべきです。一方、パターン6?10の仕事は、適材適所の配置を行わないと、成果に大きく影響してくるものと思います。

採用・マッチングに際して

採用に関しては、?特定の職責に対して適切な人材を選択する「ジョブ型採用」、?どこに配属させるかわからないが優秀な人材を採用する、または複数の職責を担当させていくつもりで採用する「人材プール型」の採用があります。中途採用は「ジョブ型採用」、新卒採用は「人材プール型採用」が主流となっていると思います。ジョブ型採用の場合は、「人の特性」と「仕事の特性」をマッチングさせていくことになりますが、人材プ―ル型採用の場合は、採用担当の恣意的な要素が大分入ってしまいます。

「優秀な人材を採用する」といっても、「優秀」の定義が今一つはっきりしません。また、現在はダイバーシティを確保するために「多彩な人材」を採用しようとします。結局、多彩な人材を採用しようと思っても、2次面接、3次面接、4次面接と進むうちに、汎用性の高い無難な人材を採用しがちです。

どんな人材にも必須の「コアスキル」を設定したうえで、どんな個性が必要なのか、きちんと人材像を定義して採用しないと多彩な人材は確保できないと思います。