学生向けヒューマン・アセスメント

大企業で実施してきたヒューマン・アセスメントを学生向けに展開したいとも思っています。なぜ学生向けに展開したいかというと、

大学教育では「能力の開発」ができていない

大学は知識を教えているものの、考える力、人と対話する力、リーダーとしてのマインド、など、社会人としてビジネスを行っていくうえでの「基盤能力」を鍛えることを考えていません。知識や技法は習得するものの、「成果を生み出す力」として昇華されていないのです。たとえば、リーダーシップがない人、論理的思考が苦手な人、構想力がない人は、4年間たっても苦手なままなのです。

これは本当に難しいことだと思います。リベラルアーツが大切だ、グルーバル人材が大切だ、と言っていますが、やっていることは、どの学校も「科目を増やす」「留学制度を作る」ではないかと思います。

ヒューマン・アセスメントを活用した自己分析の実施

大学生の多くは、就活のときに慌てて「自己分析」を実施していますが、キャリアセンター等で提供される一般的な手法に従って自己分析を進めても、表層的な事しかわからないことがほとんどです。自分に向き合い、しっかりと内省していないから、自分の武器や弱みがよくわかっていません。自分の過去を振り返る前に、今の自分を理解することが大切だと思っています。本当に大切なことは、「人と違うところ」に注目し、そこを掘り下げていく必要があるのです。そのために、ヒューマン・アセスメントを活用できると考えています。

大学生のうちに実施するヒューマン・アセスメントのほうが効果が高いのではないか

会社組織の中に入ってからだと、「権限の範囲」「上司の顔色」「職責の範囲」「周囲との協働」といった「枠」だらけであり、夢の野心も志もない上司ばかりであり、会社に入る前の方がヒューマン・アセスメントの効果は高いのではないかという仮説を持ってます。学生時代から、自分の強みや弱みをしっかり認識し、自分の強みを生かしながら結果を出していく能力を身につけるべきと思っています。

学生向けヒューマン・アセスメントプログラム案

具体的には以下のようなプログラムを考えています。

  1. グループ討議を実施してVTR等で振り返る
    ⇒自分のリーダーシップスタイルと不足点を把握する
  2. 面談演習を実施してVTR等で振り返る
    ⇒自分のコミュニケーションスタイルと不足点を把握する
  3. ケーススタディ(局面での意思決定)論理系
    ⇒自分の思考スタイルや思考技術、不足点を把握する
  4. ケーススタディ(将来構想)想像系
    ⇒自分の思考スタイルや思考技術、不足点を把握する
  5. 各演習での行動や成果を集積・分析・統合
    ⇒自分のプロファイリングする
  6. 「強み」「好き」を活かしたキャリアプランを考える
    ⇒能力開発課題を掴む
  7. 各自、自分の課題を遂行する
    ⇒チューターをつけてアドバイスをもらいながら自分のスタイルを変えていく

ヒューマン・アセスメントは、大学のキャリア教育における重要な柱の一本になりうると考えています。