まず、「社員は業績目標を達成させるための資源である」というコントロールをベースとした考え方から、 「投資をするものであり、成長を支援し、成長の場を与えることで、新たな価値を生み出していく資本である」という投資・育成対象のものであるといった考え方への転換が必要になります。

コントロールをベースとした考え方であれば、人材は「労働力」と同じ概念であり、動機付けされているか否か、活性化されているか否か、を問わず、いつも同じ価値となります。 後者の投資・育成対象のものであるという考えであれば、人材は「時価」に近い概念となり、動機付けされているか、活性化しているかで価値は変わってきます。 以下、マズローの欲求階層説にしたがい、社員のやる気を高めていくための施策を考えてみます。

① 生理的欲求:給与など最低限の生活をしていくための欲求
この部分は、満たされていると思います。

② 安全欲求:解雇や厳罰はなく、安心して働いていける欲求
「リストラされるのではないか」「給与を下げられるのではないか」という不安に駆られた社員もいると思います。 決して甘やかす必要はないでしょうが、社員の不安に対する対策は必要なのでしょう。 まずは、話を聞いてあげることです。

③ 社会的欲求:周囲との絆を深め、良い集団に属していたい欲求
いわゆる「連帯感」を感じず、個々人が淡々と仕事をしている状態であれば、トップの掲げるビジョンや戦略は浸透しないでしょう。 「会社と私」「上司・部下と私」「同僚と私」の間で信頼の絆が築けていないからです。 「言いたいことが言い合える会社」「楽しい仲間がいる会社」にしたいものです。

④ 承認欲求:自分の使命を果たすことで周囲から賞賛されたい欲求
良い評価を受けると、社員には自信が沸き、さらにレベルの高い仕事に挑戦する気になります。 しかし、給与や賞与などの処遇には大枠の予算があり、いくら頑張ったからといって、社員が十分に満足できる評価や処遇を与えられません。 これからは、社員に対して「無形の報酬」をいかに出していくかが大切になります。 社員は「自分の成長を実感できる会社」を求めているのです。

⑤ 自己実現欲求:自分のやりたいことを実現する欲求
ライフワークバランスを大切にする人、自分のキャリアビジョンに向けて邁進している人、ゴールはないけどやり方には徹底的にこだわる人、自分探しを続けている人、社員はいろいろです。 重要なことは、会社の利益よりも、社員の生活を第一義で考えてあげるといった姿勢だと思います。 「この会社にいれば、自分らしく働ける」と思ってもらうことです。

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